こんにちは。
Beija-flor ベイジャフロール
オンラインパン教室
講師 鈴木里美です。
本日、2022年11月1日より1年間、日本ニーダーさんのアンバサダーを務めることになりました。
機械ごねの知識をより深めて、生徒さん達に役立つ情報をお伝えしたいと思います。
さて、今日は製法についてお話しします。
皆さん、湯種(ゆだね)製法ってご存じですか?
「もちもち、しっとりなパンをつくりたい!」
そんな時は、この湯種製法を使うと理想の食感のパンを作ることができます。
私が一番好きな市販の食パン、敷島製パンの『超熟』もこの湯種製法で製造されています。
まず、湯種製法のやり方を簡単に説明しますね。
- 小麦粉の一部と熱湯を混ぜて冷蔵庫で一晩ねかす。
- 一晩ねかせた生地と、残りの材料を混ぜてこねる。
- ストレート法でパンを作る。(一次発酵→ガス抜き→分割→ベンチタイム→成形→焼成)
このように、小麦粉の一部を熱湯と混ぜて湯種生地を作っておき、いつもと同じように残りの材料と湯種生地を混ぜて生地作りをするだけ。
湯種の粉量や熱湯の量は作りたい食感によって変わるので、ここでは割愛させていただきますね。
ではなぜ、湯種製法でパンを作るともっちりするのでしょう??
そこにはデンプンが大きく関わってくるんです。
小麦粉に含まれるデンプンは、お水と熱が加わると、糊(のり)のような状態になります。これをアルファ化といいます。
分かりやすく例えると、ご飯にもデンプンが含まれており、生米に水を加えて炊く(熱を加える)ともちもちのご飯ができあがりますよね。
それと同じで、アルファ化した生地(湯種生地)を入れることによって、パンがもちもちの食感に仕上がるんです。
日本人はこのもちもち食感が好きな方が多いそうですよ♪
日本米がそのような食感だからでしょうかね。
お餅もよく食べますしね!
そして、湯種製法で作るパンのもう一つの良いところは、
「パンが固くなりにくい」
ということ。
湯種生地に含まれる水分は逃げにくくなっているので、焼いた後もパン生地の中に水分がとどまり、パサつきを遅らせることができるんです。
普段の製法を少し変えるだけでも、自分好みの食感が楽しめますね。
1つ注意点として、湯種製法で作るパンはボリュームがでにくくなります。
その理由は、熱湯を加えることにより、パンを膨らますのに必要なデンプンが変性するため、ガスを保持する力が弱くなるからです。
来月で1期生さん達がステップアップコース(中級)を終えます。
ファーストステップコースから始まってもうすぐ1年。
毎回生徒さん達が、手作りパンをご家族やご友人、会社の方などへプレゼントして喜んでもらえたと報告をくださる度に、私もすっごく嬉しい気持ちになっています♪
上級コースでは、今日紹介した製法などを実践しながら、よりパン作りの楽しさを感じてもらえたらと思っています!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。